東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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古今相撲大全 - 翻刻

古今相撲大全 - ページ 51

ページ: 51

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近(ちか)〳〵とより。拳(こぶし)をつよく握(にぎつ)て。滝口(たきぐち)が鬢(びん)のはづれを。したゝ【かに】 擲(うち)ける程に。経俊(つねとし)も左右の拳(こぶし)を握。負(まけ)じ劣(おと)らじと捻(ねじ)あ【ひ】 ければ中〳〵相撲とは見へざりける。其後藍沢/下手(したて)に入て。終(つい)に滝口(たきぐち)に【勝】 てげり。此上はいか程/負(まけ)ても不苦(くるしからず)とて。相手を嫌(きら)はず取ける程に。究竟(くつけう)の 者(もの)共/続(つゞけ)て五番/勝(かち)ける所に。/八木下(やぎした)五郎。藍沢を始/続(つゞけ)さまに六番勝。/本(ほん)間五郎 資俊(すけとし)。八木下をはじめて九番打て入らんとする所に。俣野五郎 景久(かげひさ)出て。本間を始て其名をよばるゝ力量(りきりやう)の人つゞけて 十番勝ければ。出て取らんといふ人なし。景久いひけるはに。【相】 撲は止(やみ)て候か。相手に嫌(きら)ひはなきぞ。誰(たれ)にてもおはせよ。我と おもふ人々は出られ候へやと髙声に罵(のゝし)【訇ヵ】りける間駿河の国 の住人高橋中六家成小兵ながらつと出て取付ければ是を 始て若手の者すゝみ出て俣野に息をも継せず負れば 出おれは入立替入かはり十人ばかり出けれども俣野は聞ゆる 大力(だいりき)の名人(めいじん)なればつゞけさまに廿一人/投(なげ)たりける。其時/土肥(とひの) 二郎/扇(あふぎ)をひらき。景久(かげひさ)をあふひであつはれ俣野殿は聞し よりも上手(じやうず)かな。實平十五年以前ならば。出て取候べき物 をと。戯言(たはふれ)ければ。景久聞て御としのよられ候とても。何かは くるしく候べきぞ御出候へ一番取候はんといひける間。土肥は