東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

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古今相撲大全 - 翻刻

古今相撲大全 - ページ 50

ページ: 50

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と。/藍沢殿(あいざはどの)相比(あいころ)にあるべし。出て始(はじめ)給へかしと云れければ。/経(つね) 俊(とし)聞(きゝ)て。東国に於て。力(ちから)有ん人は御出候へ。但(たゞし)藍沢(あいざは)殿の御(お)□【相(あい)】 手(て)には餘(あま)りてこそ存られ候ぞ。御望に於ては一番取候べき かと云。重治(しがはる)聞て。伊豆(いづ)相模(さがみ)の人々にちから強(つよ)き人はなきか。出て あの広言(くわうげん)を止(やめ)よ。力(ちから)を自慢(じまん)するは。凡卑(ぼんひ)の者(もの)の事なり。只(たゞ)侍(さふらひ)は戦場(せんじやう) に進(すゝみ)て。敵(てき)を射捕(ゐとる)に。敢(あへ)て力の有無(うむ)にはよらず。憚(はゞかり)なきちから の自慢(じまん)聞にくしといひければ。滝口(たきぐち)聞て実(げに)〳〵のたまふごとく。 十郎殿と組(くん)で首(くび)を取か取るゝか。只(たゞ)力業(ちからわざ)の勝負(しやうぶ)に於(おゐ)ては。誰(たれ) にかおとり候はんや。藍沢殿と相撲こそ望なれとて。直垂(ひたゝれ)を脱(ぬぎ)て 躍(おどり)出ける間。重治(しげはる)見てこらへず。腕(うで)のつゞかん程(ほど)は命こそ涯(かぎり) なれ。海老名殿あはせ給へといひながら。つと出んとしければ。季貞(すへさだ) 押(おし)とゞめて相撲はたゞ少人(しやうじん)より取り上りたるこそ面白(おもしろく)く候へ。先 藍沢七郎殿と。滝口四郎殿。年比(としごろ)も相似(あいに)たれば出て始たまへ。 海老名行事仕らんとて合せければ。重真(しげざね)。家俊(いゑとし)。たがひに屡々(しば〳〵) せり合けるが。重真つゐに負(まけ)にけり。其とき舎兄(しやけう)六郎/重光(しげみつ) つと出。家俊(いゑとし)を突倒(つきたを)して入らんとする所を。経俊(つねとし)躍(おどり)出。重光 を片手(かたて)にたらずなげける間。重光が舎兄/重治(しげはる)。弟(おとゝ)二人をなげ られ。やすからずおもひ。袴(はかま)の紐(ひも)解(とく)間(ま)おそしと引切て。走出(はしりいて)