← 前のページ
ページ 68 / 136
次のページ →
翻刻
上手なれば。くんづはなれつ。かけつ。はついつ。手をくだき半時
ばかりねぢ合ける。いかゞしけん。つき/臼(うす)つつと入て。岩根を
場中にて/反(そり)たりける。秀次公御覧して。扨も取たり心の
きゝたる相撲かなと/感(かん)じ給へば。御前/伺公(しこう)のめん〳〵もあつと
かんじあはれける。/暫(しばら)く/双方(そうほう)いきをつぎて。又合するに今
度は岩根之介つき臼を/懸投(かけなげ)る。おひ投る。二つの内を取べし
と立まはれば。つき臼は/長(たけ)なければ/反(そり)を望んではづしける。
しばらく有て。岩根之介。つき臼がそぐひを引よせて。かけ
投にせんとしけるを搗臼。岩根が/馬手(めて)のもとをとつて。/曳(ゑい)と
おしあげ。つと入てかしらにて一/間(けん)ばかり。かたやにおしこみ
とまる所を。引かづきて。おなじやうに/反(そり)にけり。秀次公大に
/笑(わら)はせ給ひ。/各々(おの〳〵)ざゞめきわたりけり
古今相撲大全巻之中未終