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ける。実に関白殿の相撲のうちにて。昼夜。ふせいし。関がね。
/井関(ゐせき)。/岩根(いはね)などいふ上手どもゞ一番二番づゞとつて入にけり。中
にも。岩根は/防(せき)なるが。よき相手がなとおもへる/体(てい)にて立出たり。
行司/誰(たれ)にても/望(のぞ)みのかたあらば出たまへと。ふれけるに。こゝに
/西岡(にしのおか)の住人に/突舂(つきうす)といふ相撲有。かくれなき上手なれども。
しかるべき相手なき故/宵(よい)より一番もとらざりしを。かた
はらの者共出て。関をとられと次ゝめける。行司聞て/急(いそ)ぎ
出られさうらへ。/遅参(ちさん)は御前への恐れ有やといひければ/畏(かしこまり)候とて
立出けり。/長(たけ)はわづかに四尺ばかりなれども/脇(わき)の大さは六
尺ばかりもあらんと見ゆ。左右の/腕(うで)はつねの人の/太股(ふともゝ)にまさ
りたり。年二十四五にて。つら大きに。まなこすさまじかりけ
るが。白布を三重に/廻(まは)してつよくしめたり。岩根之介はたけ六
尺ゆたかにして。ほねふとく肉あつく。二重をつくり/損(そん)ぜしご
とく也/茜(あかね)のした帯。二重に廻して引しめたり。秀次公いそぎ
あはせよとのたまへは。行司やがて取らせける。一方はたけ髙く。
一方はひきかりければ。そこばくにちがひて見ゆ。岩根おもひ
けるは。したての相撲なれば。うちにいれじと立廻る。
つき/舂(うす)は下手に入て。そつてみんとあひしらふ。/互(たがい)に/劣(おと)らぬ