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翻刻
帯を花やかに結び立出けるより。他(ほか)の角力人も。是におとらじと伊達(だて)
を専(もつはら)にしける。此時の御抱の角力取の拝領のまはしを。世に紀州(きしう)まはしと
称ける。其ゆへは金銀(きん〴〵)にあかし御/物数寄(ものずき)有て。織(を)らせられける故。花美(くはび)眼(め)を
驚(おどろか)す見事さ。言語(ごんご)にのべかたし。是より次第に我/劣(おと)らじと風流を尽(つくす)るに
成たり。誠に土俵(どひやう)入の時。打/揃(そろ)ひ出/並(なら)びたる景色(けしき)。筆に書取がたし。然共/粧(よそほ)
ひは自由(しゆう)に成へけれど叶はさることは。生得(しやうとく)の人品(じんぴん)也。御用木両国の後も。大力の
人。又至て肥大(ひだい)なる角力取/少(すくな)からず。依(よつ)而/姓名(せいめい)と背長(せたけ)の寸尺を書しるし
て。古人(こじん)をしらす。其外古人の名号記分は悉(こと〳〵く)其姓名を部類(ぶるい)して
左にしらしむる。出生(しゆつせう)は姓名の上に本名を書しるす
古今大力相撲姓名
上古
垂仁帝朝 当麻蹴速 野見宿禰《割書:日本記》
天武帝朝 大隅隼人 阿多隼人
淳和帝朝 紀茂世 大神惟明《割書:天長九年七|月廿六日記》
文徳帝朝 紀名虎 伴 善雄
一條帝朝 私市宗平《割書:駿河人》 時弘
伊勢田世《割書: |已上著聞集》
後一條帝朝 勝罡 重茂