翻刻!料理本の世界

コレクション: コレクション 1

生間流式法秘書抜萃 - 翻刻

生間流式法秘書抜萃 - ページ 56

ページ: 56

翻刻

【右丁】  右之床飾を一段略する時は六合を用ゐず       かう立きそく之事 盛物之器の周りに付たる紙之折形をかう立といふより甲 立又は饗立とかき盛物之上にさすものをきそくといふよ り亀足とかくこれはかう立。きそくの主意を知らずして濫 にあて字をかきたるもの也只あて字をかくのみならず之 に附会之説をほどこし甚しきに至りてはかう立は盛物の こぼれぬ為に用るもの也ともつともらしくいひ世にあや まりを伝ふること久し依て古の学者もこれに迷ひ濫に甲立。 饗立。亀足などの文字をかゝれし書ありかたはらいたき事 也其あやまりをたゞし世の迷夢をさまさんと思へば我家 【左丁】 之秘事を公にせざるを得ず故にやむなくあやまり之儘に 打捨おきぬ他日世の古実家来り問あらばきそくは気束也 かう立は香立也この字義によりて盛物に用ゆる主意を解 すべしと教ふべし古は多く仮名を用ゐたりしが後世之者 六ケ敷文字をかけば学者之如く思ひ物之主意を知らずし て濫りにあて字を書たるよりこのあやまりを来せしもの なるべしきそくの内に亀の足に似たるものあるより亀足 とあて字をかきたるものならん然れども亀之足に似ざる ものあり又花きそくとて松。梅などを用る事もある也松。梅 之枝いかでか亀の足に似んこれにても其あやまりを知る にたるべし只気束。香立之事のみならず斯の如きあやまり