翻刻
【右丁】
剪草(せんさう) くさ茶らん
二月 頃(ころ)宿根より
叢生(さうせい)す円茎(まるきくき)紫(むらさき)
色(いろ)節(ふし)あり葉(は)は及(きう)
己(い)《割書:はゆば|きさう》に似(に)て小く
又 茗葉(めいやう)に似(に)て又
小く一 節(ふし)に二三 葉(やう)
対生(たいせい)し五七 層(そう)を
なす茎(くき)の梢(こすへ)に白
色 糸(いと)の如(こと)き花(はな)あ
り根(ね)は茜草(せんさう)《割書:あか|ね》
又 細辛(さいしん)の如(こと)く良(よき)
香(にほ)ひあり
【左丁】
防己(はうい)
あをかつら
とづる《割書:豆|州》
つゝらふじ
山野(さんや)に多(おほ)し藤蔓(つる)冬(ふゆ)凋(しほま)す緑色(みとりいろ)葉(は)は牽牛(あさかほ)の
葉(は)に似(に)て尖(とか)らす山人 此蔓(このつる)を以(もつて)籠(かこ)をあむ夏月小
花 攢生(さんせい)し秋月(あき)黒子を結(むす)ふ薬店(やくてん)売処(うるところ)の防己(はうい)
是(これ)なり根(ね)は褐色(うるみいろ)にして長(なか)く切は車輻紋(しやふくもん)あり此(この)本(ほん)
草原始(さうけんし)に図(つ)する処(ところ)の条防己(しやうはうい)是(これ)なり
【版心の中央部に記載あり】
防己
【六~七行目「及己」の「己」の読み「い」は誤ヵ、もしくは「已」ヵ】
【十八、二十八、三十、三十三行目の「防己(はうい)」の「己」は「已」ヵ、もしくは読みの誤ヵ。「防己」「防已」とも使われている。】