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養生録巻之中
灸治篇
一凡そ人身は養生篇(やうじやうへん)に述(のぶ)るごとく平日 飲食(いんしい)起居(ききよ)
を節(せつ)にして物欲(ぶつよく)に牽(ひか)れす深(ふか)く慎(つゝし)み健(すこやか)につとめ
生涯(しやうがい)堅固(けんご)にして病(やまひ)なき時(とき)は何(なん)ぞ鍼灸薬(しんきうやく)の設(まう)け
に及(およ)ばんや然れとも世上(せぜう)に真(まこと)の無病(むびやう)の人と云
者(もの)稀(まれ)なる者なりたとひ其身(そのみ)に病(やまひ)を覚(おほ)へすとも
固有(こゆう)の持病(ぢびやう)となりて表(おもて)にあらはれざる病(やまひ)ある
者 多(おゝ)し故(ゆへ)に鍼灸薬(しんきうやく)の三法を備(そな)へて其 変(へん)を防(ふせ)ぐ
のみ尤三法とも其(その)病(やまひ)の本(もと)を能(よく)見わけて施(ほどこ)すべ