翻刻
【右丁上部】
○占城(せんせい)はちやんはん
といふ安南(あんなん)に近(ちか)
き国(くに)なり大象(だいざう)
多(おほ)し国に鰐(わに)有
公事詔訴(くじそせう)【注】の者(もの)
ありて (補)理非分明(りひふんみやう)
なれば鰐(わに)にあたふ
科(とが)あるものは鰐(わに)こ
れを食(くらふ)といへり
○安南国(あんなんこく)は交趾(かうち)
とも東京(とんきん)とも云
男子(をとこ)は盗(ぬすみ)をこのみ
女(をんな)は淫(いん)をこのむ女(をんな)
をめとるに媒(なかだち)なし
みつからあひ合(あふ)国(くに)
に肉桂(につけい)おほし (補)他国(たこく)
【左丁上部】
にいだす此 国(くに)の肉(につ)
桂(けい)を上品(じやうひん)とす
○暹羅(せんら)は国(くに)に海(かい)
濱(ひん)おほし男子(なんし)はい
とけなきより陽(やう)を
さく甘波邪(かぼちや)とも
いふ此国(このくに)の染色(そめいろ)を
にせて日本(につほん)にしや
むろといふなり
○東番(とうばん)はたかさご
(補)とも又たいわん国
ともいふ安南(あんなん)にちか
きゑひす国(くに)なり
(補)むかし国性耶(こくせいや)この
国(くに)をきりとり住(じう)せ
しなり今(いま)唐(とう)に従(したが)ふ
【注 「詔訴」は「訴詔」の誤】
【右丁下段挿絵】
占城(せんせい)
《割書:ちやん| はん》
【左丁下段挿絵】
安南(あんなん)《割書:かうち》
暹羅(せんら)
《割書:しやむろ》
東番(とうばん)
《割書:たかさご》