翻刻
【右丁】
同
真曲瀬氏の所蔵(しよさう)の品(ひん)に
して葉の形 前条(せんしやう)に似て
鋸歯(かゝり)ある葉(は)と円葉の物(もの)と
雑(まし)り生す梢(こすへ)に穂(ほ)
をなして菊花の如(こと)き
小き黄花(わうくは)を開く花
は前条と異(こと)なり又同物
といへとも花の変(かはり)のもの
なるべし
【左丁】
大風子(たいふうし)
和産なし舶来(はくらい)の実(み)あり形状 無患(むくろ)
子(し)に似(に)て外皮 皺紋(すうもん)なし中の実又 無(む)
患子(くろし)に似て赤黒(あかくろ)色也蘭山の説(せつ)に
和俗これを雷丸(らいくわん)と云ひ油(あふら)を雷丸の油
といふ又 油桐(ゆとう)の油をも和の雷丸(らいくわん)の油(あふら)
といふ皆(みな)誤(あやま)りといへり釈名(しやくめう)時珍の説(せつ)
に能(よく)《振り仮名:治_二大風疾_一|たいふうしつをしす》故(ゆへに)名(なつく)といへり此説に
由て雷丸 油桐(ゆとう)の実(み)等(とう)を用(もち)ゆへからす