翻刻
【右丁】
一種
ひれう
樹の形 屈曲(くつきよく)して蔓(つる)の如(こと)
く葉は甚(はなは)た細(ほそ)くして見(み)わた
し#1剌(とけ)#2も又 細(ほそ)くして屈曲(くつきよく)せり
【左丁】
巵子(しし) くちなし《割書:和名|鈔》 肥梔(ひし)《割書:本経|逢原》 伏巵子(ふくしし)《割書:本草|彙言》
大巵子(たいしし)《割書:本草|原始》 巵梔(しし)《割書:同|上》 染梔子花(せんししくは)《割書:群芳|譜》
黄梔花(わうしくは)《割書:寧波|府志》 白玉花(はくきよくくは)《割書:名花|譜》
人家 庭際(ていさい)に多(おほ)く栽(う)ゆ樹(しゆ)高(たか)さ八九尺に過(すき)す葉 対生(たいせい)し形 莽草(しきみ)に
似て硬(かた)く染緑(こきみとり)色#3にして皺紋(しは)あり初夏六弁の白花を開(ひら)くにち
〳〵さうに似て大に香気(かうき)あり実は花の下に生す頭尾(とうひ)尖(とか)りて竪(たて)
に稜(かと)ありて稜に鰭(ひれ)を生す熟(しゆく)すれは黄色となる中の実 茄子(なすのみ)に
似て数(す)十子あり此実 染家(こうや)の用となす集解(しつかい)に云山巵子は山中自生
の物にして薬用に上品とす樹(しゆ)は人家に栽(う)ゆる品よりは高(たかき)に至(いた)る
花葉も又小なり#4