翻刻
給けりつきせす【尽きせず=絶えず】おもひほれ【心を奪われてぼんやりする】給てあた
らしきとしともいはすいやめ【泣きそうな目つき】になり給
へるときゝ給てもけにうちつけの【その場限りの】心あさ
さ【浅い気持ち】にはものし給はさりけりといとゝ【ますます
】いま
そあはれ【いとしさ】もふかくおもひしらるゝ宮はおはし
ますこと【お行きになること】のいとゝころせく【思いにまかせず】ありかたけれは京に
わたしきこえんとおほしたちにたりないえ
む【注】なとものさはかしきころすくして中
納言の君こゝろにあまることをも又たれ
にかはかたらんとおほしわひて兵部卿
【注 内宴=平安時代、正月二一日頃に天皇が、通常、仁寿殿に出御して公卿以下文人などを召して行う内々の宴】