翻刻
すれはいとものしけ【ものしげ=不快に思っているさま】におほしたりときゝ
給もいとおしけれは御ふみは時〳〵たてま
つれ給御もき【裳着 注】の事世にひゝきて【世間の評判になる】いそ
き給へるをのへ【のべ=延期する】給はんも人わらへなるへけれ
は廿日あまりにきせたてまつり給お
なしゆかり【血縁のもの】にめつらしけなくともこの
中納言をよそ人にゆつらんかくちをしき
にさもや【いっそその通りに】なして◦(まし)【(婿に)していまおうか】年ころ人しれぬものに
おもひけん人をもなくなして物心ほそくな
かめゐ給なるをなとおほしよりてさるへ
【注 女子が成人してはじめて裳をつける儀式】