翻刻!草双紙の世界

コレクション: @chinjuさんと読む草双紙

武家物奇談 : 3巻 - 翻刻

武家物奇談 : 3巻 - ページ 13

ページ: 13

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【右丁】 蝶鵆(てうちとり)の怪 もろこしのせいこう【不明】は とうかいにおぼれて けてう【化鳥】となりし【精衛=伝説上の小鳥の名前】 るいいつのころにか ありけん ふじの すそのゝ へんに大い なるてう【蝶】と ちどりのけ ものさうしん【総身】は みの【蓑】ゝごとくの け をせうじ【生じ】もと より五月下じゆんの これ【ママ=ころカ】なれば しかをよせる ひぐし【注】かと 思ふほとのたい まつをとぼし 大いそ小いそまでをとひ【飛び】 あるきけるこのけものに なじみたるとらなども 人をなやませしとなんけものゝすみしところを そが中むらといへり 【注:火串「ほぐし」=火をつけた松明を挟んで地に立てる木。夏の夜これに鹿などが近寄るのを待って射取る】 【左丁】 景清両眼(かげきよりやうがん)の怪(くはい) へいけすど【数度】のかつせんにうちまけ みかたこと〴〵くさんらんしてかい ちうへしづみ又は いけどら るゝも ありし その 中に 七兵へ【注1】 かげ きよ はひう がのくにへ みをかくしりやうがんを ぬいてきよみづくはんおん におさめけるさるほど にかげきよのりやうがん げんじにうらみのこりよな〳〵 とうをはなれてらくちうを とびあるきぬ 〽だんのうらにてみほのや【美尾谷】との しころひき【錣引き=注2】にことのこりてや ふたつのまなこ人のゑりをねらいし ゆへゑりもとがぞつとしたら ゆだんをするなとらくちうのものいゝつたふ 【注1:景清は悪七兵衛景清と言われた】 【注2:屋島の戦いで、平景清と源氏方の美尾谷 (みおのや) 十郎国俊が格闘し、景清がつかんだ国俊の兜の錏が切れたという伝説。】