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小ゆすり津浪(つなみ)におしわたりこゝで逢(あ)ふのも
三年目(さんねんめ)久(ひさ)しぶりであつたよな
《振り仮名: 〽|▲》ちよつと見(み)るから高(たか)ゆすりたとへば
地震(ぢしん)雷(ごろつき)でも
鹿島(かしま)の神(かみ)の
御恵(おめぐみ)み【衍】で
ひんぼう動(ゆるぎ)も
さしやァ
しねへぞ
《振り仮名: 〽|●》なる程(ほど)こいつはおつりきな
あんべいだきられの与三なら
三(み)すじの疵(きず)こふもり安(やす)が付(つき)ものなれど
おれは鯰(なまづ)の親(おや)ぶんにはなれぬ中(なか)ののらくら者(もの)
ひやうたんなまづておさへて居(ゐ)やすョ