翻刻
たるもの挌列刺毒(これらどく)を撲滅(うちけし)するに要用(やうよう)なり
(2)[挌魯児加爾基(ころほるかるき)]「染匠(そめものや)の漂白(さらし)に用(もち)ふる品(▢な)」一分に水の十分を和(くわ)すもの
〇 用法(もちひかた)衣服(きもの)を洗(あら)ふとき或(あるひ)は浴湯(ゆにいる)の節(せつ)此(この)薬(くすり)にて洗滌(あらひ)して能(よ)く毒(どく)を解(げ)す又
「石炭酸(せきたんさん)入(いり)の石鹸(しやぼん)は最(もつと)も便利(べんり)にして良(よ)し」又 泥溝(みぞどぶ)便所(べんじよ)芥溜(ごもくば)に此(この)液(えき)を灌(そゝ)ぐべし
(3)[亜硫酸瓦斯(ありうさんがす)]即(すなは)ち硫黄(いわう)に火(ひ)を点(つ)け燃(もや)す時(とき)発(はつ)す瓦斯(けむり)なり
〇 用法 不潔(ふけつ)なる衣服(きもの)布団(ふとん)道具(だうぐ)或(ある)ひは居室(ゐま)を煤(くす)べてよし
(4)[硫酸鉄(りうさんてつ)【左ルビ「サルマルチス」】]又 緑礬(ろうは)にても良(よ)し録礬(ろうは)百目に水八百目の割合(わりあひ)に溶(とか)したるもの
〇用法 大小便(だいせうべん)後(ご)厠▢(せつゐん)尿桶(せうべんたご)に灌(そゝ)ぐべし此(この)方(はう)は糞尿(こゑせうべん)の臭気(くさみ)を去(さ)るために平日(つね)
にても施(ほどこ)すをよしとす
(5)[挌列刺薬(これらぐすり)]は少(すこ)し気分(きぶん)悪(あ)しきとき十 滴(しづく)より卅 滴(しづく)「但(たゞ)し大人の分量(ぶんりやう)」小児(こども)は
五 滴(しづく)より十五 滴(しづく)迄(まで)水(みず)に▢(たら)し用(もち)ふべし
明治十年九月廿九日御届
同月 出版
大阪第一大区四小区今橋
弐丁目卅番地
《割書:編述兼|出版人》浦谷義春