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泪如来(なみだによらい)の損像(そんぞう)
山の宿聖天町にて
有頂天(うてうてん)五十日の間開帳
そも〳〵かりにあんじしたてまつるはしなのゝくにぜんくわうじの
ほんぞんほつこくでんらいしまおうごんの
なみだによらいのそんぞうなりその
むかしてれんてくだうそ八百だいの
みかどけいせいてんわうのおんとき
なまづだいじんのまつしや【末社ヵ】やけのやんはちと
いへるものこのそんぞうにあつくなり
ちうやあゆみをはこべ
ともごりやくなきを
いきとふりたゝらを
ふませておはくろ
とぶへなげこみしを
わかひものとんだどしみつ
やう〳〵ひきあけまいらせてせなかに
おぶひたてまつりのろまのくにはなげ
むらなるおきやくさんかねぼれじへつれ
まいらせしばしかりねのおんちぎりあさ
からずこれによつてこのたび山のしゆく
せうでんてう【山の宿聖天町】をおんかりやとしてかいてう【開帳】し
たてまつりぼんぶけちゑんのために
おとびらをひらきぼんのうほたいを
によき〳〵とおやかしたてまつるもの
なりひとたびはいするともがらはたいへいの
ぢしんをゆらせうつきをさんじみらいは
かならずひとつはちすのうてなでくらしうてうてん【有頂天】へ
のぼりてまんざいらくね【楽寝】のたのしみにじゆめうの
はなげをのばすことうたがひなしごしん〴〵の
おんかたは一ぶもつてとこへまはられませう
新ぞう
ぼさつ
北国伝来
なみだ
如来
かむろ
童女