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翻刻
【右丁】
うちに御影石(みかけいし) 立山石(たつやまいし) 豊島石(てしまいし)等(とう)は材用(さいよう)に施(ほどこ)し人用(にんよう)に益(ゑき)して翫(くわん)
物(ぶつ)にあらず故(ゆへ)に其(その)三四箇条(さんしかてう)を下(しも)に挙(あげ)て其余(そのよ)を略(りやく)す○和泉石(いつみいし)は色(いろ)必(かならす)
青(あを)く石理(いしめ)精(こまか)にして牌文(ひもん)【ママ】等(とう)を刻(こく)す又(また)阿州(あしう)より近年(きんねん)出(いだ)すもの是(これ)に類(るい)
す其石(そのいし)ねぶ川(かわ)に似(に)て色(いろ)緑(みどり)に石形(いしのかたち)片(へぎ)するがごとし石質(せきしつ)は硬(かた)からず又(また)城州(しやうしう)
にては鞍馬石(くらまいし) 加茂川石(かもがはいし) 清閑寺石(せいがんじいし)等(とう)是(これ)を庭中(ていちう)の飛石(とひいし)捨石(すていし)に置(おき)て
水(みつ)を保(たも)たせ濡色(ぬれいろ)を賞(せう)し凡(すべ)て貴人(きにん)茶客(さかく)の翫物(くわんもつ)に備(そな)ふ
○豊島石(てしまいし)
大坂(おほさか)より五十里 讃州(さんしう)小豆島(せうどしま)の辺(へん)にて廻環(めぐり)三里の島山(しまやま)なり家(いへ)の浦(うら)かろう
と村(むら)こう村の三村(さんそん)あり家(いへ)の浦(うら)は家数(いへかず)三百 軒(けん)計(ばかり)かろうと村(むら)こう村は各(おの〳〵)百七八
十 軒(けん)ばかり中(なか)にもかろうとより出(いづ)る物(もの)は少(すこし)硬(かた)くして鳥井(とりゐ)土居(どゐ)の類(るい)是(これ)を
以(もつ)て造製(さうせい)すさて此山(このやま)は他山(たのやま)にことかはりて山(やま)の表(おもて)より打切(うちきり)堀取(ほりとる)にはあらず
唯(たゝ)山(やま)に穴(あな)して金山(かなやま)の坑場(しきくち)に似(に)たり洞口(とうこう)を開(ひら)きて奥(おく)深(ふか)く堀入(ほりい)り敷口(しきくち)を縦横(しうわう)に