翻刻
大井川花のしからみせきとめて
おしむ日かすに春そ暮ぬる
虚空蔵へ参詣酉の上刻旅宿に
かへる翌日夜中より雨降けれは又
寝ゆる〳〵として巳の刻過より四条
河原の妓楽をみて黄昏にかへる
あけの日空うらゝなれは辰の刻
過より駕にていて立
妙心寺松の木立の外に異なるを見て
名に高きはやしや塵の世はなれて
たへなる寺の松の一むら
此香閣に三住のいさをしありて
直指玄鑑禅師と諡を給ふは予か
父方の大伯父也其流れなから
さえみしかきを今さらに
こしかたをしるにもはかな身の科を
悔てかへらぬ老のおろかさ
仁和寺花の下にて