翻刻
【右丁】
さてこそだい〳〵もろこしのみかど
日ほんをはからん事をかたく
おもひとゞまりたまひけり三ごく
ぶさうのはくらくてん【白居易のこと】小こくの
ちえをはかりかねわか日のもとの
あんせんなる事ひとへにすみ
よし大みやうじんのおうご【擁護】に
かゝりけりしかるにかのしやだん【社壇=神殿】
としひさしくざうゑいもな
かりしかばのきも戸ほそ【扉】もあれ
はてゝ月とうみやうをかゝげきり
かうをそなへ【霧が、立ちのぼる香の煙のようなさまからいう】しかばみやうじん
これをいみしとやおほしめしけん
【左丁】
たむらのみかどの御ときにみかとの
御ゆめに一人のらうじん御まくら
かみにたちよらせ給ひて
夜やさむきころもやうすきかたそきの【千木の片端を縦に切り落としたもの。住吉神社の宮つくり】
ゆきあひのま【相寄って接した物と物の間のすき間】にしもやをくらん
とゑいじ給ひしかはみかと御ゆめ
こゝちになんぢはいかなるものそと
とはせたまへはかのらうじん
これはすみよしのあたりにす
まひするぜう【尉ヵ】にて侍るとて
かきけすやうにうせ給ふみかと
御ゆめさめてしんたくにおど
ろきたまひつゝすなはちすみよし