翻刻
いざいで候はんとて。せうなごん
御しやうぞくなど。とりひそ
めければ。ひめぎみ御らんじ
て。なみだのひまよりかくぞ
よみたまふ
わかれても
またもあふせの
ある
ならば
なみだの
ふちに
身をば
しづめじ
かやうにゑいじたまひて。
せうなごんもろともに。みや
こをいで。いなりのみやうじん
さま。われふるさとへ。かへらぬま
では。なんなくまほらせ給へと
て。なみだとともにいでたまふ。
こゝろのうちぞあはれなり。
ふかくさをとをるとて。みやこ
のかたをみをくりて。たゝ
ずみたまへば。折ふしおぎ
のはに。露(つゆ)しめ〳〵とうち
をきて。いとものあはれに
おもひいづる。身(み)はふかくさ