翻刻
【右丁】
三田(みた)
春日明神(かすかみやうしん)社
【図】
【枠内】本社
【枠内】神楽殿
【枠内】地蔵
【左丁】
春日明神社(かすかみやうしんのやしろ) 三田(みた)一丁目にあり別當(へつたう)を三笠山(さんりつさん)神宮寺(しんくうし)と号(かう)
す和州(わしう)三笠山(さむりふさん)春日(かすか)四/所(しよ)の御神(おほんかみ)を鎮座(ちんさ)なし奉(たてまつ)るとそ
三田(みた)の産土(うふすな)神にして例祭(れいさい)は毎年(まいねん)九月九日に修行(しゆきやう)す傳(つた)へ
云/當社(たうしや)は村上天皇(むらかみてんわうの)天徳年間(てんとくねんかん)武蔵國司(むさしのこくし)藤原正房(ふちはらのまさふさ)任國(にんこく)
の頃(ころ)藤原氏(ふちはらうち)の宗廟(そうひやう)たる故(ゆゑ)に此(この)御神(おほんかみ)を此地(このち)に勧請(くわんしやう)せし
むるとなり其(その)後(のち)文明(ふんめい)の頃(ころ)法印(はふいん)慶賢(けいけん)中興(ちゆうこう)す本地佛(ほんちふつ)は
十一/面観世音(めんくわんせおん)にして弘法大師(こうはふたいし)の彫造(てうさう)なりといふ慶賢(けいけん)瑞(すゐ)
夢(む)によりて感得(かんとく)の霊佛(れいふつ)なりといひ傳(つた)ふ
月波楼(けつはろう) 同所(とうしよ)松平主殿侯(まつたひらとのもこう)別荘(へつさう)の看楼(ものみ)の号(かう)なり此地(このち)の
眺望(てうはう)實(しつ)に洞庭(とうてい)の風景(ふうけい)を縮(ちゝめ)たるか如(こと)く岳陽(かくやう)の大観(たいくわん)を摸(うつす)に
似(に)たり依(よつ)て城南(しやうなん)の勝地(しようち)とす羅山先生(らさんせんせい)の東明集(とうめいしふ)に詳(つまひらか)也
三田八幡宮(みたはちまんくう) 芝田町(しはたまち)七丁目にあり三田(みた)の惣鎮守(さうちんしゆ)にして祭(まつ)る所(ところ)
山城(やましろ)男山八幡宮(をとこやまはちまんくう)と同くして 後一条帝(こいちてうていの)寛仁年間(くわんにんねんかん)草創(さう〳〵)