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のゝね【音】たにおりから【物事を引き立てるのにふさわしい場合】こそはまさる物なるをはる
〳〵とものゝとゝこほりなき【さえぎる物のない】海つらなるにな
か〳〵春秋の花もみちのさかりなるよりは
たゝそこはかとなう【どうということもなく】しけれるかけて【左に「ヒ」と傍記】ともなまめ
かしきに【風流で】くひな【注】のうちたゝきたるはかと【門】さし
てとあはれにおほゆねもいとになういつること
ともをいとなつかしうひきならしたるも御
こゝろとまりてこれは女のなつかしきさまに
てしとけなう【無造作に】ひきたるこそをかしけれとお
ほかたに【普通に】のたまふを入道はあひなく【何となく】うち
【注 水辺にすむ小鳥の名。初夏の頃、盛んに鳴き、その声が戸を叩く音に似ているので「鳴く」といわず「たたく」という。】