翻刻
行方(ゆきかた)を。心(こゝろ)のまに〳〵説(とき)かけしがいかにせん紙数(しすう)に
限(かぎり)あるをもて。いまだ半(なかば)に三巻(みまき)となりぬ。されば
残(のこ)りの二十七 帖(でふ)大尾(たいび)の夢(ゆめ)の浮橋(うきはし)まで。只(たゞ)夢(ゆめ)のまに
編(へん)を続(つぎ)。五十四帖(ごしふよでふ)を全部(まつたう)して。兼(かね)て開好(ぼこう)を
御贔屓(ごひゝき)の諸君(しよくん)の御意(ぎよい)にいらばやと。
扇(あふぎ)を笏(しやく)におつとつて。彼(かの)馬頭(うまのかみ)が
口真似(くちまね)を。序言(じよげん)にかへて爰(こゝ)にしるしつ
淫 水 亭