翻刻
芸能(げいのう)さへに実躰(じつてい)にしかとなきにまして女(をんな)の
上(うへ)にをや。人(ひと)の心(こゝろ)の花染衣(はなぞめごろも)に。粋風(すゐふう)の見(み)せかけ
姿(すがた)。上辺(うはべ)ばかりの仇(あだ)なる色(いろ)は。一期(いちご)の妻(つま)とは
つゞむまじきと。さしも粋好色(すゐこうしよく)の
馬(うま)の頭(かみ)も。指喰(ゆびくひ)。木(こ)がらしの女(をんな)に手(て)
ごりしたる過去(こしかた)話(ばなし)に。光君(ひかるきみ)を始(はじ)め頭中将(とりのちうじやう)
惟光(これみつ)などを笑(ゑ)つぼに入(い)らせし詞(ことば)をかり。今(いま)や
世上(せじやう)の処女(をとめ)のさま〴〵。上(かみ)。中(なか)。下(しも)の品(しな)をわけ。五十四帖(ごじふよじやう)の