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翻刻
【右丁】
和泉式部(いづみしきぶ)
あらざらん
この世(よ)の
外(ほか)の思ひ
出(で)に
今(いま)ひと
たびの
逢事(あふこと)も
がな
【左丁】
五十六番
右の歌のこゝろはこゝちれいならず
はべりけるところよみて人につかはしける也
あらざらん此世のほかとは身まかりて
のちの世といふがごとしいのちをもろ
ともにとおもふ人をばうちおきてわが身
ひとりさきだちなばのこりおほさかぎ
りもあるまじのちの世のおもひ出
にはしなぬうちにいまひとたびあふ
よしもあれかしなといへりおもひでと
はのちに思ひいだしてたのしみにせんと也
【画面右下】
一陽斎
豊国【國】画