翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション2

(画挿)養生はなし 2巻 - 翻刻

(画挿)養生はなし 2巻 - ページ 30

ページ: 30

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せす負(まけ)ましきと心懸(こゝろかく)るが専要(せんよう)とす又(また)門弟(もんてい)他人(たにん)を教(おし)ゆるを見(み) るに身体(しんたい)血気(けつき)の満(まん)不満(ふまん)を知(し)り剛柔(がうぢう)虚弱(きよしやく)は云(いふ)に《振り仮名:不_レ及|およばず》心腹(しんふく)の様(やう) 子(す)懸声(かけこゑ)の清觸(せいたく)【濁の誤ヵ】を見て取(とる)こと良医(りやうい)の病(やまひ)を知(しる)が如(ごと)し爰(こゝに) において稽古場(けいこば)にても顔色(がんしよく)を見てとり譬(たと)へ取組(とりくみ)ても 《振り仮名:不■|ふ?い》【垓ヵ】なれは引分(ひきわけ)或(あるひ)は勝(かつ)とも不法(ふはう)の手(て)を以てすれば可也(かなり)と せす是(これ)此術(このしゆつ)の功者(こうしや)なり   鉄炮(てつはう) 鉄炮(てつはう)は本名(ほんめう)銃(しう)。又(また)鳥銃(てうじう)といふ此術(このしゆつ)の名人(めいじん)は禽獣(きんじう)【左ルビ・とりけたもの】を うつこと百発百中(ひやくはつひやくちう)或は戯(たはふれ)に柱(はしら)に九曜(くよう)の星(ほし)を打(うち)或は 少(ちいさ)き鳥(とり)の觜(はし)をうち或 鳥(とり)の片足(かたあし)を打(うつ)等の事(こと)名家(めいか)の術(じゆつ) なり其外(そのほか)飛処(とぶところ)の雙禽(さうきん) ̄ヲ打(うち)或は池(いけ)の魚鼈(きよへつ) ̄ヲ うつの類(たく)ひ心気(しんき)の 落着(おちつき)養生道(ようしやうみち)に到(いた)らされば名人(めいしん)にいたることあたはず此道(このみち) を会得(えとく)せずんばあるべからず   能(のう)謡(うたい) 諸芸(しよげい)を有増(あらまし)学(まな)びて後(のち)謡(うたい)舞(まい)抔(なと)を習ふも士(し)たるものゝ 業(わざ)也 既(すて)に此道(このみち)は古昔(むかし)より上(かみ)つ方(かた)にも玩(もてあそ)ひ給ふことにて はつかしからぬ道(みち)也 夫(それ)人々(ひと〳〵)歓(よろこ)びの余(あま)りには 和漢(わかん) 貴賤(きせん)ともに其趣(そのおもむき)なきこと能(あたわ)ず人(ひと)の上(うへ)には舞踊(まひおとり)より 楽(たのし)みはなし抑(そも〳〵)此業(このわざ)は心(こゝろ)と腹(はら)と腰(こし)とを定(さだ)め意気(いき) 四支(しし)行(ゆき)わたり旦(かつ)音声(おんせい)を清(きよ)ふして呼吸(こきう)自(おのつか)ら安寧(あんねい)