翻刻
【右丁】
○山(やま)かけの冬(ふゆ)の氷(こほり)のけふなめて齢(よは)ひなかろふためしとそする
○岩陰(いはかけ)や松(まつ)ゕ崎(さき)との氷室(ひむろ)山いつれひさしきためしなるらん
○土用餅(とようもち) 小豆(あつき) 蒜(にんにく)《割書:ひともし》
土用入に餅(もち)并に小豆(あつき)蒜(ひともし)を喰ふ事 夏日(かじつ)は温熱(おんねつ)の
盛(さかん)なるゆゑ虫(むし)多(おほく)く生(しやう)ず故(ゆへ)に是(これ)を防(のそ)かん為(ため)に是を
服(ふく)して病難(ひやうなん)を除(のそ)くといふ
○土用(とよう)もち小豆(あつき)ひともし服(ふく)すれば服中(ふくちう)に虫生せさりけり
七月 《割書:夷則 凉月 文月 凉月 孟秋》
○七夕(たなはた) 星合(ほしあひ) 星祭(ほしまつり)
○たなはたのあかぬ別(わかれ)の涙(なみだ)にや花(はな)のかつらも露(つゆ)けかるらん
【左丁】
八月 《割書:南呂 葉月 壮月 仲秋 月見月》
たのむの祝 五穀(ごこく)の出来(てき)る秋(あき)なればかくいふ也
白(しろ)かたびら
名月(めいけつ)
○水のおもにてる月なみをかそふればこよひそ秋(あき)のもなかなりける
九月 《割書:無射 長月 菊月 寐覚月 季秋》
朔日 今日同八日 袷(あわせ)を着(ちやく)す
○同九日 今日 小袖(こそて)を着す
○菊酒(きくのさけ)
此日を重陽(ちやうやう)といふは九(く)は極陽(こくやう)の数(かす)九々 重(かさな)るゆゑ也