翻刻
【右丁】
なりけるところにかいしやう【海上】さは
かしくしらなみしきりにひる
かへるほとに神たちあやしく
おほしめすところにいそら【磯良=神功皇后の三韓出兵を助けた海神】すて
にうかみいて【浮かび出で】かみあそひ【神遊び=神々が集まって、音楽を奏し、歌舞すること】のにはに
まいりけるそのかたちを御らん
するにしたゝみ【しただみ=小さい巻貝類の総称】かきがいもにすむ
むしてあし五たいにとりつきて
さら〳〵人のかたちにてはなかり
けりくわうごうおほせけるやうは
なんじいかなれはかゝるかたちとは
なりけるそと御たつねありければ
いそらこたへて申やうわれあをうな
【左丁】
はらのうろくす【「うろこ」転じて「魚」】ともにましはりこれを
りせん【利せん=救済せん】ために久しくかいていにすみ
侍りぬるあひた此かたちになりて候
なりけるあさましきかたちにて
やんことなき御しんぜんにまいらん
事のはつかしさにいまゝてまいりかね
て候ひつるをしは〳〵ゆう〳〵たるりつ
か【律雅】の御こゑにはぢをもわすれ身をも
かへりみずしてまいりたりとそこたへ申
けるくわうごうなのめに【どうでもよいこと】おほしめしなんぢ
をこゝにめしいたさるゝ事べちの【特別の】しさい
なしいそきわたつみのみやにゆきて
かのところのてうほう【重宝】みらいのたま