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ふうじめ【調査票の折り線】
福島県縁故者(ふくしまけんにゑんこあるひと)へ(へ)
一、 此度(このたび)の災害で御困りの事と存(ぞん)じます。 福島県(ふくしまけん)に縁故(ゑんこ)ある人(ひと)の安否(あんぴ)と困難の状況を早(はや)く詳しく知(し)りたいと思(おも)ひます
から面倒(めんどう)でも至急此(しきゆうこ)の紙(かみ)へ記(か)き入(い)れて此(こ)の紙(かみ)の裏(うら)の宛名(あてな)を表(をもて)へ出(だ)して折(を)り目(め)を折(を)つて封(ふう)じて郵便其他(ゆうびんそのた)の方法(ほうほふ)によ
り事務所(じむしよ)へ届(とゞ)けて下(くだ)さい
一、 御住所(をすまい)が判(わか)れば御慰問(おみまい)したいと思(おも)います
一、 福島県人以外(ふくしまけんじんいがい)の方(かた)も県人(けんじん)を御知(おし)り合(あ)ひの方はドウカ御伝(おつた)へ下(くだ)さるか又(また)は御知(おし)り合(あ)ひなくば御自分(ごじぶん)の御状況を御知(おし)
らせにならば其(そ)の県(けん)の事務所(じむしよ)へ御伝(おつた)へ致(いた)します
【調査票上部横書】
御住所判明次第調査票を送りますから広く県人に知らせる事に援助を願ひます
【調査票】
震災調査(しんさいしらべ)票
本籍(ほんせきはどちらですか)
現住所(いまのおすまいはどこですか)
震災当時(じしんのとき)の(の)住所(すまいはどこでしたか)
震災当時(じしんのとき)の(の)職業(しょくぎようはなんでしたか)
戸籍及家族其他(あるじとうちのひとたち)の(の)氏名年齢(なと、としをおかきください)【実際は二行書】
今後(こののち)の方針(どうなさるかおしらせになりませんか) (現在職業(いましょくが)の有無職業名(あるかないかしよくあればなにをおやりですか))
希望職業(こんなしよくにつきたいか)(県内) くにか (県外)どこか
救護上(ここのとこどんなものが)の希望(ふじゆうですか)
罹災(さいなん)の(の)状況(もやうはどうでしたか) (死傷、行方不明(ふこうやけがやゆくえのわからぬかたはありませんか))
(被害価格其他(そんがいだかやそのほかのことをかいてください))
罹災後(さいなんご)の(の)状況(いゝのやうすはどうですか) (罹災後帰県(さいなんごくにへかへつたか)、滞留(こちらにゐたか)、再上京別( かへつてまたきましたか))
生活状況(いまのくらしむきの)(保健、衛生(よしあしをかいてください))
県人其他(くにのひとやそのた)の(の)罹災美談(ひとがしんさいのときよきはたらきをしたはなしをしらしてください)【実際は二行書】
(県人其他(ひとをすくふことや)を救済(そのたのよきこと)せしこと等)
震災、火災避難心得(じしんやかじのひなんのときためになるよきはなしをしらしてください)【実際は二行書】
失業者(このさいむしよくのひと)を(を)救済(せわする)せむとする人(ことをおねがひします)【実際は二行書】(事業別(しごと))
(人員(ひとかづ))
【調査票左】
之(こ)れは県(けん)の非常(たいせつ)な参考(かんがへ)となるものですから判(わか)るだけでよろしいから至急(はやく)知(し)らせて下(くだ)さい
大正十二年 福島県庁内(ふくしまけんちやうない) 福島県救護本部(ふくしまけんきうごほんぶ)
東京市(とうきようし) 福島県救護事務所(ふくしまけんきうごじむしよ)
(本郷帝大赤門前立花館)
横浜市(よこはまし) 福島県救護事務所(ふくしまけんきうごじむしよ)
(紅葉坂中腹)
【調査票下 横書】
読めない人や書けない人には何卒御援助を願ひます