東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト 1

竹取物語 - 翻刻

竹取物語 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

はや此御子にあひかうまつり給へといふに 物もいはすつらつえをつきていみしくなけか しけに思ひたり此御子今さへな何かといふへから すと云まゝにえんにはひのほり給ぬおきな理 に思ふ此国に見えぬ玉の枝なり此度はいかて かいなひ申さん人様もよき人におはすなとい ひゐたりかくやひめの云様おやの給ふ事を ひたふるにいなひ申さんことのいとおしさに取 かたき物をかくあさましくもて来る事をね たく思ひおきなはね屋のうちしつらひなとす おきな御子に申様いかなる所にか此木は候ひ けんあやしくうるはしくめてたき物にもと 申御子こたへてのたまはくさおとゝしの二月 の十日ころに難波より舟にのりて海中に出 てゆかん方もしらす覚えしかと思ふ事なら て世中にいき何かてせんと思ひしかはたゝ むなしき風にまかせてありく命しなはいかゝ はせん生てあらん限かくありきてほうらいと 云らん山にあふやと海にこきたゝよひありき て我国の内をはなれてありき罷しに有時は 浪あれつゝうみのそこにも入ぬへく有時には 風につけてしらぬ国に吹よせられて鬼のやう