翻刻
【右丁】
ひしもとの上はかたはらいたくわらひ給ふい
とをふかせつくりし屋はとひからすのすにみ
なくひもていにけり世界の人の云ひけるは大伴
の大納言はたつのくひの玉取ておはしたる
いなさもあらす御まなこ二にすもゝのやうな
る玉をそそへていましたるといひけれはあな
たへかたといひけるよりも世にあはぬ事をは
あなたへかたとはいひはしめける
たけとり物語上終
【左丁】
たけとり物語下
中納言いそのかみのまろたかの家につかは
るゝをのことものもとにつはくらめのすくひ
たらはつけよとの給ふを承りてなにの用にか
あらんと申こたへての給ふやうつはくらめの
もたるこやす貝をとらんれうなりとのたもふ
をのこともこたへて申つはくらめをあまたこ
ろして見るたにもはらになきものなりたゝ
し子うむ時なんいかてかいたすらんと申
人たに見れはうせぬと申又人の申やう
おほいつかさのいひかしく屋のむねにつくの