翻刻
てつなをかまへて鳥の子うまん間につなを
つりあけさせてふとこやすかひをとらせ給ひ
なはよかるへきと申中納言のたまふやうい
とよき事なりとてあなゝひをこほし人みな
帰りまうてきぬ中納言くらつ丸にのたまは
くつはくらめはいかなる時にか子をうむとし
りて人をはあくへきとのたまふくらつ丸申様
つはくらめ子うまんとする時は尾をさゝけて
七度めくりてなんうみおとすめる扨七度めく
らんおりひきあけてそのおりこやすかひはと
らせ給へと申中納言よろこひ給て万の人
にもしらせ給はてみそかにつかさにいまして
をのこ共の中にましりてよるをひるになして
とらしめ給ふくらつ丸かく申をいといたくよ
ろこひてのたまふこゝにつかはるゝ人にも
なきにねかひをかなふる事のうれしさとの
給ひて御そぬきてかけつけ給ふつ【ママ】さらによさり
此つかさにまうてことの給ふてかはしつ
日暮ぬれは彼つかさにおはして見給ふに誠つ
はくらめすつくれりくらつまろ申やうおう
けてめくるあらこに人をのほせてつりあけさ
せてつはくらめのすに手を指入させてさくる