翻刻
【右丁表一段目】
廿九番《割書:若狭国|》 松尾寺(まつのをてら)
卅番《割書:江州|》 竹生島(ちくふしま)
卅一番《割書:同|》 長命寺(ちやうめいし)
卅二番《割書:同|》 観音寺(くわんをんし)
卅三番《割書:美濃国|》 谷汲(たにくみ)寺
右谷汲寺迄巡廻して
信州善光寺へ参るには加
納へ出夫ゟ木曽路洗馬
より右へ行なり
【右丁表二段目】
廿九番《割書:笹ノ戸|》 長泉院(ちやうせんいん)
卅番《割書:フ力タ|》 宝雲寺(ほううんし)
卅一番《割書:鷲ノ窟|》 観音院(くわんをんゐん)
卅二番《割書:ハンニヤ|》 法性寺(ほうせうし)
卅三番《割書:小坂下|》 菊水寺(きくすいし)
卅四番《割書:水クゞリ|》 水潜寺(すいせんし)
秩父は一郡のみにして他郡へ
またがらずして便利よき也
【右丁表三段目】
廿九番《割書:同青蓮|》 千葉寺(ちばてら)
卅番《割書:上総|高倉》 高蔵寺
卅一番《割書:同笠森|》 楠光院(なんかういん)
卅二番《割書:同音羽|》 清水寺(せいすいし)
卅三番《割書:房州|》 那呉寺(なごし)
右房州迄の道すからは
日光鹿島香取其外名
所旧跡最も多ありて西
国にもおとらぬ風景也
帰厚客話《割書:景山先生著|初編十冊近刻》
此書は士農工商の孝道忠義寄特正直
并諸芸技術人々深切に鍛錬したる上
いつれも妙境に至りたる事譬へは士は君に
仕へ家を興し農家は田畑山林を肥し百工は好事にして名人と聞へ商家は
正直にして豪富と成しこと各篤厚を積あけて一大家を成したる
古今の実事を集め夫々部分にして初学の志を立る楷梯の書なり
《割書:女子|教訓》水かゝみ《割書: 同|絵入全二冊 近刻》
女子教訓の書は古昔ゟよき書あまた有て何
とてたらざることなけれとも時代に随ひて其風
俗詞折々替るものなればいかなるよき風俗も
今の世に合せて見時はよしと思ふ人はすくなし夫故におのつから古風を学ふ
志しも立ぬ也教訓も其如く古へのまゝにては当時の人に聞へかたきによつて此書は
女子の育方より諸芸の教かた礼儀作法に至るまて古の教を当時のことに引
直し絵姿模様等も今時の風にして女子に王極のみこみよき為の書也
彫工 佐脇庄兵衛
文化七年庚午八月既望 同 伊三郎
日本橋通壱町目
東都書肆 須原屋茂兵衛
下谷池之端仲町
須原屋伊八