翻刻
【右丁】
対する如き心を実にして毎月怠る事有
へからす此は我家の定法也三たひ吾身を
省みるの聖語此中にある也家臣目代の
談話は近臣を退くるなれとも人先つ
其事をしる類は武道に疎漏なる家に
あり事は漏るゝを以て破れ謀は密を以て
成るといふ然るに奸佞の臣は闇君幼主を
誑らかし家臣目代の詞を証として推て
沙汰に及事多し近臣等目代家臣の
【左丁】
密事を探り知る輩は佞奸也と思ふへし
密事の漏る事は近臣の悪心の者有と
知るへし闇君幼主の行跡の非或は密事
を語り玉ふを諫るは忠臣也常に心に
応する事をなし君の心に協はんと思ふ
者は不忠と思ふへし都而主には物を云ひ
難き者なるに此所は君臣共に能思ひ
覚ゆへし近臣は殊に旧臣に和し勤切
忠臣の人をみるへし汝等も家中の鏡と