翻刻
袖(そで)の内(うち) 葉形なるほどちいさく十二ひとへの
ごとく数々の切込有枝ぶりもあひ
【挿絵】 らしく秋はさま〳〵に染なせる
此たねを必蔵の庭より袖珍(しうちん)
して来り植たるとて袖の内と
いふよし葉のちいさきゆへにや
なんきん楓ともいふ
素性法師
紅葉はは袖にこき入て
もていてなん
秋はかきるとと
見ん人のため
鹿紅葉(しかもみち) 葉形よく出葉より柿色(かきいろ)
なればかき楓ともいふうすかきの
ちとあかく見へたるを鹿毛(かげ)色
【挿絵】 と見たてたるか鹿(しか)もみちと
いふもにくからず秋も
たいていに紅葉せり
猿丸大夫
おく山に紅葉
ふみわけなく鹿の
こゑ聞時そ
秋はかなしき