翻刻
鹿毛織錦 葉形よく出葉より
しやれかき色なれは
鹿毛といふたるか
【挿絵】 夏の程は黒柿いろと
かわり秋の紅葉たゐ
ていなり
大納言基家卿
の衣きるらし
さむき夜は鹿も紅葉
をのかすむ峯のこからし
もみちの品貞享元禄のころはやしほ十二ひとへ
野むらなとゝて其数十種にたらす其後実生の
かわり出て六々の品わかる品数のおかしきとて
哥仙楓と名付しに世上に時行もてあそひと
なる程年々に変葉出来其上御用につき
唐土より渡り来るからもみちあるひは諸国
より葉かわりといゝて来るもの集植して
百種に滿てり楓葉百種の古哥をよせて
百人一首とよふ誠に春は餘寒の頃より