← 前のページ
ページ 43 / 110
次のページ →
翻刻
書やまと言葉や題林抄ふるき大人の
歌集文集数多の著書便らんには古体新
体万葉集抔好む所ニたがひハあるも手をもて
ひくがことくにて皆実情をのぶるが主の
よし
是ハ歌人の各知り給ふ事故爰に書んハいかなれど
我心に感せしゆへ一二首を誌す
いつの頃にや 堂上方の時鳥を聞んとて
行玉ふ時賊の如の案内まいらせしにそなたも
一首よめよかしと給けれハいとはぢらいたる
おもゝちにてわらわハ何も知り侍らすゆ
るし給へいらひけるを押返して勧められ
けれバ此女近き頃夫トに別れし由にて
取あへす
ほとゝきす迷途の鳥ときくからハ
もし太郎兵衛に逢ハせぬかや
と詠しけれハ
公卿の御方之其実情を感し今夜の
詠歌是より秀逸ハなしとて帰り玉ふとなり
又五摂家方之内江戸へ