デジタルアーカイブ福井の資料を翻刻

コレクション: 松平文庫

温古集 三巻 - 翻刻

温古集 三巻 - ページ 44

ページ: 44

翻刻

勅使にて御下り之節花輪検校を召連れ られしに信州更科姨捨山田毎の月の 名所々へ立寄玉ひて  我心なくさめかねつ更科や  おは捨山に照る月を見て と 詠したまひ検校はいかにと仰けれは取あへず  我心なくさめかねつさらしなや  おは捨山に照る月を見で と 結句のてに濁り二点をくわへ文字を不綺 見てを見でと一音の裏返して御答申せし 斯る自在なるものにて「てにをはばどども を請る言葉を初総而仮名遣ひの文字は 篤く学ぶ事なれは古より諸名家の書を 博く見究め両京有名之大家尚所地 之先生等に便り我情の意を放れて親しく 尋ね学びたらんには実に面白き事ならん 然る処ことしより十あまり九のとせ前の頃 新たなるまつりことに改め玉ふ折からより よろつの事々変り果ぬるありさまを 旧弊に執着するにはあらざめれどむかし