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【右丁】
波の上に秋のにしきをしくら川峯の紅葉の影をうつして 祐
なみのあやに夕日の色をしくら川錦をひたす心地こそすれ陸
日もくれぬとて竹生の古府何かしの家にやとりけり今朝より道の程は
やう〳〵五里に過されとさすかに老の足のつかれぬれはいさとくとてふし
とに入ぬれと雪のほとはいとやすくもいねす行先また立出し
我宿のことなと思ひて
心あひの風の便りに告てましこよひ竹生の古府にふしぬと 祐
うきふしもこゝに忘れて旅衣竹生の古府に一夜ねにけり 陸
是より今庄木ノ目峠通り敦賀ゟ若狭路
丹後天の橋立丹波生野山城京都へ出淀川
【左丁】
舟にのり大坂に至り住吉堺の名所見廻り
又もとり夜ふねに乗伏見につき京都に出て
こゝかしこ見廻り尋ねなとして東し海道通り
九月五日帰
右往来所々にて詠哥百六十二首
心愛風屋叢書譲りて不記
陸叟
名は直妻木榮助と通称し家世外科医を
以て本藩に仕へ博學洽聞にして本草家の
學に長し老後茶を好み陸叟と自號し給へるにや