デジタルアーカイブ福井の資料を翻刻

コレクション: 松平文庫

温古集 三巻 - 翻刻

温古集 三巻 - ページ 81

ページ: 81

翻刻

【右丁】 名を賜へる皆其物其人の功績を賞給ふ餘り然る名をおふせ 給ひ後世まても語り続き言継かせて其功績の跡の 絶へらさらんやうにとおも 給はんの大御意にやあらん 我 守殿の被習給ふ御意の至り深き高野先生の 年ころいそしく仕へ給ふ直實心を愛しみ思ほしましけん 御いてましのついて其文庫に御めとゝめさせ給ひ打わたし 此筆きよしと見そなはしてすなはち文庫の名を静観舎と 呼ふへくまた静観舎の八勝をえりいてさせ給ひ 御自此文字を書せた給ひて賜はせたるを永く文庫にをさめ 奉り御倉棚神と持斎き奉らんとして其教子達はた世の 【左丁】 風流士に普く告しめしこれか八勝の哥も文もあらせ 給へりけるかやう〳〵つもりにけるを一巻の物となし給へるを 先つ頃おのれに見せ給ひいかてこの後に一言そへよとの 給へるによりさるうまし文を汚しなんこともなにも思ひたとう 受しかかすまえられたるうれしさにおふけなさも恥かしさも ふつに忘れてはしり書しつるなりけり  嘉永五年の七月