デジタルアーカイブ福井の資料を翻刻

コレクション: 松平文庫

温古集 三巻 - 翻刻

温古集 三巻 - ページ 87

ページ: 87

翻刻

【右頁】 古池の水を汲揚蛙の行状を学び年々 歳々怠なく一会を催し秀句を撰みて 書綴り幾万歳之末々迄続けよかしと 書初しは明らかに治る十あまり九つの年の 始の事になん  附言  是は俳諧に入用之事ならねど蛙の園を以云  蛙合戦の事は昔より聞伝へしが嘉永四  亥年即江戸在番之節麻布之末笄橋  之辺に数万之蛙群りて寄集り如何なる 【左頁】  宿意にや敵味方と見得て双方に分れ種々  得物を持て決(勝負懸)する事連日之由聞へし故  役先之人実検指越されしに全相違なき  ありさまを見届証拠のため右蛙壱疋捕へ  酒樽にいれて持帰り夫々見せしが其大きさ  首尾之径手五寸計蟇蛙なりき  蛙の合戦は殺風のおこる前兆なりと聞しが  戦争にはならすとも翌々六年丑年即もまた  折返し在番非常之尽力せし騒動より  世体不穏形勢となれる闇合にてや有けん