翻刻
【右丁】
にも入申間敷程之事と被存候但し米相場六十目より
下落致候節は農人扶食も少々は相廻し候儀也扨武家
食糧之残米大坂へ入候は凡三百万石と相聞申候又此三
百万石は大方年賦返済米或は捨扶持米或は前借り
当米等にて多分大坂町人の物に有之候此中二三分
通りは無疵の分にて武家方へ金納に可相成哉抔申位に
御座候乍併諸家蔵屋敷大坂に有之其役人共町人
物持用達共と兼々懇意を相結ひ居り候得者斯の如く
一先ツ約束之米穀相渡し又者相応に融通相足し其
主人に被勤功を相立候由に御座候是にて参勤交代之用
【左丁】
途其外とも振合相立候儀と申事に御坐候然れは三百万
石は六十目相場之節は。三百万両に御坐候得者三千万両
之一割にて六千万両之五分に有之共右にて相考候得者大
坂にて当時諸家へ用達置候金高凡六千万両程と相見へ
申候扨六千万両と申は全く引当。年々の残金にて皆証
文面之金高に有之実の金は。唯千万両前後にて操り廻
し候事と被存候右之通三百万石全く大坂入津之節は
堂島米相場壱万が六十目程にて惣国平均七分之作に御座候
由に承り伝へ候又其三百万石の外に百五十万石程大坂へ入
津致し候年は米壱石に付五十目と相場引下け惣国平均