賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

斎庭之穂 - 翻刻

斎庭之穂 - ページ 24

ページ: 24

翻刻

【右丁】  合して百九十万石也残り百十万石之内五十万石は池田  伊丹灘等へ相払酒に潰し引残り六十万石は大坂市中へ  相払ひ候夫に付凶年には〆売致し候て多人数に迷惑  を懸或は年々六月土用前少にも雲行悪敷候はゝ景気  上けとか申候て相場を引上け利を貪り此外数へ難き悪  行自由自在之振舞等不埒至極言語同断之儀に御座候是々  申候も全くは米といふ命の根なる大切之宝を町人に被抱  三都之扶食武家方得意場を被為押領武士之台所は町  人之台所と相替り当時町人之勢ひには一言も無之候依之  町人の手に付下に不廻候はでは武家方金銀之融通不相成 【左丁】  候と申儀は如何にも口惜しき次第に御坐候也右之通三百万石  は永代町人の擒にて年々の収納は引当之外余分は稀にて  大概は空身上之ヤリクリ台所故武士の町人に手を°たれ  腰かゝめて万年に頭のあかる折りなし故に唯今御仕法  を不被立は武士は猶幾末とも町人之奴たるへし斯の如く  武威相衰へ及困窮に候得は自然と士風相降り候て当  時侍之腹中は商人が入替り慾得に利を争ふに■【金偏+剽 切先(きっさき)】を削り  或は計り或は被謀七顚八倒之戦ひは実に苦々敷事と  いふへし但し其戦ひに賢こき士が諸家に用らるゝ処  之良将也故に見聞賄賂に心を被奪義もなく道もなき