賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

斎庭之穂 - 翻刻

斎庭之穂 - ページ 27

ページ: 27

翻刻

【右丁】  是迄通の相場に相居り候也然らされは折角相場百  八十目に相成候詮は無之候間諸品を此儘に居へ置候仕方第一之  儀と奉存候猶其仕分けは別紙に相認め候也呉々米は命の根  にて天下最第一之宝に御坐候然るをいつしか此宝町人  の手に相渡り候故町人に権を被握当時町人の我儘は  自由自在の振舞にて多く見聞する処に御座候故に  金さへあらは徳不徳を不論勝手儘の事共出来候於  是懐手して生涯を相経り候町人共沢山に有之候は冥加  怖敷次第に奉存候何卒一日も早く町人の手に有之候宝を  武家之手へ御取戻被遊候はゝ町人の権は更無之候様相成以後 【左丁】  金銀にては勝手儘之儀は相成間敷様被存候然れは人気  古に立復へり戸さゝぬ御代の御制度御行渡にて実に  浦安の国可申候也 一前書之如く武士之身代を寛永頃に引戻候得は各以之外  豊と可相成候然れは自然に物事相緩み可申候間厳敷倹  約を此時に用ひ候が天下の要送に御座候然るに当時極  窮之折柄厳敷倹約を用ひ候得は稟嗇に落入り惣体之  悩みと相成候而巳にて世上の為筋には不相成候也但し元禄  より以前は世に有名之人も数多有之候処今は余りに不  及聞候此は全く人の衰へたるにはあらす士農とも身代の