賀茂社関係文書翻刻プロジェクト

コレクション: 賀茂社関係文書(NDL所蔵)

斎庭之穂 - 翻刻

斎庭之穂 - ページ 28

ページ: 28

翻刻

【右丁】  衰へたる也されば当時世間之世話敷は皆困窮に付ての  用のみにして公用旦家業の用は右に対せば二三分に過さ  る程也此外公事出入の経?れ事も皆国窮により起る処  の禍ひ也諺に貧は諸道之妨と申如くかくも世話敷世の  中に生れ出たる人々なれば中々学問処にてはなく饗?  用にせめられて生涯を経るならひとはなれり故に  学問に拘はらす元禄以来何芸の衰へたるも前件に云  各身代々衰へたる故也実に歎け敷儀といふへし今  や士農の身代古に復さば四海豊となるへし豊は急し  からさるの謂にて彼の員?用也急しきを除きて公用 【左丁】  業用の外なし其公用業用は静かにして穏なれは  是を豊といふ也於是諸芸悉く成就して有名の人世に  現はるゝ事彼の元禄の昔に劣る《見せ消ち:り|る》へからす 一当時は米金等分之古制年々に乱れて米価悉く衰へたり  於是雑穀之作方次第に減少して中分之出来方にては一年  の食糧に足る不足程也故に常平倉を設たりとも貯は  へる品なし然るを強て貯はへんとすれば窮民餓死に及  ふもの可有之筋也夫れに付或人云百万金を出して穀物を  買求諸国の常平倉に収めば一廉の要用たるへき由也  とぞ爰に聞く人々皆尤也といへれど黒闇の尤にて物を