翻刻
【右丁】
五升つゝ之御冥加米を 公儀御収納に相成候ては天然に不相叶
されはとて百姓之物として屯倉へ相納候はゝ百姓共の怠り
に可相成候而此れは 公儀之物にてもなく百姓之ものにてもな
く唯浮宝に被成至候方神慮にも可相叶哉何分前件之如く
処に米価百八十目に引上り候得は乍恐是迄通りより年々
凡弐百万両余過分の御収納高にも可相成歟并諸家諸士此外
寺社の徒に至る迄高に応し是迄通より三増倍の収納
に相成候得は責ては以来凶年之砌にても米価百八十目より
高直には不成相成候様之御取計兼て御設之様乍恐肝要要之儀と
奉存候夫に付反別五升之浮宝は三千石之地にて大方年に
【左丁】
弐百石にも可相至歟故に其弐百石余を十五年積至候得は
三千石余に可相成候猶三千石之村方は人別凡三千人にも可有之
候間三千石屯倉之貯有之候はゝ凡七八ケ月之扶食は可有之也
斯の如く二千四百軒之屯倉は同様にて御料所之分屯倉御
貯穀は此時に至り七百二十万石余に相成可申候但し
いかなる凶年旋り会候とも其年々夏作秋作相混し候得共
惣国平均し三分之作より不作致し候儀は無之候其は是
迄凶年の次第にて現然たる事に御座候扨其三分とは雑穀
合して凡千弐百石に御坐候然れは極々之凶年にても是丈
の穀物は惣国に有之候故に此時諸国之屯倉を御開き御