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十 丈部(はせかべの)三子
元正天皇の御時 漆(うるし)のつかさの令史(さくはん)はせかべの
路(みち)の忌寸石勝(いんきいはかつ)つかへのよぼろ【注】秦(はだの)犬麻呂二人漆
をかすめたりとて遠き国へながさるべきに
さだまりぬ石勝三人のおのこあり太郎 祖父(そふ)麻
呂年十二次郎 安頭(あんづ)丸こゝのつ三郎 乙(をと)麻呂七
になんなりけるともに父が流罪(るざい)をかなしみうち
つれて官所にまいりわれら三人ながく官の
やつことなりて父が罪をあがなはんといひて
【注 「よほろ(丁)」のこと。古代国家のために徴発されて使役された人民】