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翻刻
十四 安永(やすなか)安次 《割書:本書の此伝は林|春常丈つくれり》
肥前の国島原に加津佐村の津波見名といふ所あり
そこなる民久右衛門氏は安永名は安次とそいふ
なる父母につかへて孝なり父名は安平いまたいた
くは老ざれとも安次ふかくいたはりて常(つね)に身を
やすくのみあらしめてたゞをのればかりそ耕(かう)作
をばつとめける安平ある時安次が田作りていといたう
くるしめるを見て我いまだ力おとろへず折〳〵は
草をもとりて汝が手すこしやすめんといへば