翻刻
【右丁】
陳楠(ちんなん)鉄鉢(てつはつ)より出(いだす)_レ竜(りうを)図 候(こう)先生(せんせい)浴(よくし)_二池中(ちちうに)_一成(なる)_二蝦蟇(かへると)_一図
孫博(そんはく)草木(さうもく)に火光(くはくはう)を生ず図 張(ちやう)九 哥(か)剪(きつて)_レ羅(うすものを)作(なす)_レ蝶(てうと)図
費文(ひぶん)画(ゑかいて)_レ鶴(つるを)酬(むくふ)【注】_二辛氏(しんしに)_一図 黄鶴(くはうくはく)仙人(せんにん)乗(のる)_レ鶴(つるに)図
【注 酧は酬の俗字】
【左丁】
【句点と思われる「・」を「。」にす。】
絵本写宝袋七之巻
范雎(はんしよ)厠(かはや)を遁(のが)れ仇(あた)を復(ふく)す
范雎(はんしよ)字(あさな)は叔(しゆく)。魏(ぎ)の大梁(たいりやう)の人。経済(けいさい)の大 才(さい)。諸子(しよし)百 家(か)。皆(みな)
よく其 妙(めう)を究(きはめ)ずといふ事なし。魏の中 大夫(たいふ)須賈(しゆか)に仕 ̄ユ時に
須賈(しゆか)魏の昭王(せうわう)のために。斉国(せいこく)に使(つかい)す。范雎(はんしよ)を副使(ふくし)として。
金(きん)百 斤(きん)白璧車馬(はくへきしやば)を以て斉王(せいわう)に送(おく)り。互(たがい)に相すくふこと
を約(やく)す。二人 斉国(せいこく)に到(いた)る。斉王の曰。尓(なんぢ)が魏(き)何等(なんら)の主(しゆ)にして。寡人(くわじん)
がまへに誓盟(せいめい)を陳(のぶ)るや。范雎 須賈(しゆか)が対(こた)ふることの遅(おそ)きを見
て前(すゝ)み出て曰。臣(しん)が王は仁義礼智雄 略(りやく)の主なり。斉王大に
笑(わら)ふ。范雎が曰。然ば臣一々是を奏(そう)せんとて。魏王の彼(かの)徳(とく)ある
事を称(せう)し。猶又斉王の問(とい)にこたへ。終日(ひねもす)談論(だんろん)する事。懸河(けんが)の耳(みゝ)
に入り。蜜(みつ)の浸(ひた)して漸々(ぜん〳〵)に甜(あまき)が如(こと)し。遂(つい)に正使(しやうし)須賈(しゆか)を。さし
除(のけ)て。范雎をもてなし。斉王又 黄金(わうごん)一 笏(こつ)を賜(たま)ふ。時に須賈
正使たる吾をさし置て。范雎をもてなし。金酒を賜(たま)ふ事を